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メディア掲載(執筆)

2025年7月11日 17:16 NEWS-ニュースリリース

 

少し前にはなりますが、ファッション販売4.5月号に掲載されました。

この度アールアイシー様に執筆の依頼をいただき上記紙面に掲載していただきました。

ありがとうございます。

 

以下、掲載記事文章です。

 

未来の顧客との接点づくりに役立つVMD

VMDは一言で表現すると「未来の顧客との接点づくり」。私は奈良でセレクトショップ「Lisa」を営んでいますが、VMDは自店の雰囲気を伝える非常に重要なツールだと位置付けています。

当店はネットショップと実店舗でハイブリット販売を行っており、その両方でVMDの対策をとっています。特に店舗ではショーウィンドーのディスプレーを中心に目的を明確に意識したVMDを実践。今回は、これまでの経験則を基に、VMDの構築で大切にしているポイントや実践例についてお話していきます。

初めに簡単に私の経歴に少し触れておきます。私は若くして機会に恵まれ、一度も就職することなく雑貨店を開業し、5年間運営。その後アパレルに転向してから今日までずっと、自ら店を運営してきました。同業で修業することもなく、VMDについてはおろか店舗運営に関して勉強したことも誰かに教わったこともありません。そのため一般的なVMDとは違う視点で、リアルな現場での長年の経験で培った、個店で活かせるVMDやディスプレーのポイントをお伝えします。

 

VMD構築で大切にしていること

VMDのVはビジュアルを指します。そのため私は、未来の顧客に対し、ディスプレーなどの視覚を通じて、伝えたいことをいかに伝えるか、何を伝えたいのか(目的)を明確にして構成を考えています。最終目的から逆算し、次のように具体的にイメージを描いていくのです。

 

目的(最終ゴール) 商品を購入してもらうこと

 

目標(目的のための指標) 入店してもらう、商品に興味をもってもらう、購買意欲を湧かせる。

 

目標達成のための具体的効果 商品単体ではなく店に興味を持ってもらう。興味深く見てもらう

 

具体的効果を得るための訴求効果 視覚からわくわくした気持ちになる、好きなもの(デザイン、色やテイスト)や欲しいものがあるから立ち寄りたくなる、などを感じてもらう

このように訴求効果を明確にイメージし、視覚的に落とし込んで見せ方を考えていきます。

 

続いては、見せ方を具体化する際に大切にしているポイントを挙げます。

 

・店を認識してもらう 色使いでのアイキャッチ

私は、VMDにおいては、ウィンドーディスプレーによる訴求が8割以上を占めると考えています。当店が車移動中心の郊外のバス道路沿いの路面店ということもありますが、店外から見えるウィンドーディスプレーは、顧客との大切な接点の入り口に当たるためです。

ウィンドーディスプレーを考える際には、毎回テーマカラーを1~3色決め、5体あるマネキンすべてにおいて色で統一感が出るようコーディネートします。車やバスの車窓といった中距離からでも視認性が高まるためです。色の演出によるアイキャッチ効果で、ファッションが好きな方に店を認知してもらい、ターゲットとの最初の接点づくりにつなげています。

ディスプレーは半月~1ヵ月っくらいで変更します。前回とは全く印象が異なるカラーにすべて替えるのです、ここでのポイントは“頻繁に替えないこと”。店前をよく通る方に、何度か同じディスプレーを見てもらい好きな色やアイテムに愛着を持たせることが狙いです。

またテーマカーラーをガラっと変えることにより、ひと目で「新しくなった!」ことが伝わり、アイキャッチ効果を高めます。この毎回の変化が刺激となり、興味を持った人はディスプレーを何度も見ます。ザイオンス効果(人が何度も見るものを好きになる心理効果)を利用して、店への親近感を湧かせたり、好感度を高めたりすることが目的です。

実際に、初来店された方々の多くが「ウィンドーをいつも見ていて気になった」「きれいな色のコーディネートが楽しみでいつも見ていた」とおっしゃっています。

 

・店のブランドイメージを伝える

カラーの統一でアイキャッチを施したら、店の雰囲気やブランドイメージを伝える仕掛けを考えます。

当店では女性らしいエレガントさや品格、お客様の好みに対応したさまざまなテイストや着回しに対する汎用性を大切にしています。これが店のブランドイメージで、商品構成やテイスト、店づくりに至るまで、これを軸に見せ方を考え統一感を出すのです。

例えば、カジュアルな中にも上品さのあるアイテム、年齢や嗜好を問わず着こなしやすいデザイン、アイテム同士の組み合わせが簡単であるものを取りそろえる、といったことです。これらがわかりやすく伝わるように、さまざまなアイテムを組み合わせ、幅広いテイストでコーディネートしディスプレーに取り入れています。

 

・季節感の演出

ネットショップと実店舗では顧客層や購買目的が少し異なります。そのため季節感の演出を変える必要があります。

具体的にお話しすると、ネットショップやSNSでは、今すぐ身に着けられる実需はもちろんですが、季節の先取り商品が好まれる傾向があります。ですから、季節の変わり目には意識的に先取り商品の露出を増やし、ワクワク感を演出します。

一方、実店舗では「今すぐ着られるもの、着たいもの」を求める方が多いです。「今すぐ着たい」「今週末に着る服が欲しい」といった、お客様の気持ちに寄り添う演出を意識することが大切になります、デパートや大手ショップでは先取りディスプレーがよく見られますが、自店のお客様のニーズを把握し、できる限りジャストシーズンなものを中心にディスプレーすることが購買意欲を高めることにもつながります。

 

・全身コーディネートの提案

ウィンドーはもちろん、什器上の半身トルソーや壁掛けディスプレーでは、可能な限りアクセサリーや靴までのトータルコーディネートを提案することを心掛けています。

当店はセレクトショップという形態上、商品単体の購入だけに興味がある顧客よりも、スタッフにコーディネートを相談しながらさまざまな着こなしを楽しみたいと考える顧客が多いため、小物を一緒にディスプレーすることで、実際に着用したイメージや着用シーンを描きやすいようにしています。トータルコーディネートによる客単価アップにももちろん効果的です。

・分かりやすさ(伝わりやすさ)

店内はウィンドーとは違い、テーマカラーによるディスプレーや陳列を行うのではなく、アイテムやテイストごとに集積する形を採っています。お客様が求めるアイテムや好みのテイストを見つけやすい構成を意識しているのです。

似た商品群を集めることで、店の商品構成がお客様に伝わりやすくなるだけではなく、スタッフが接客する際の提案漏れを防ぐ効果も期待できます。

お客様への「分かりやすさ」という観点は、創業当初からかなり大事にしています。私が発信する(販売する)ファッションは、「おしゃれがしたい」普通の人に届けたいと常に思っているからです。ファッションは外見を変えるだけではなく、内面を変えたりQOL(生活の質)を上げたりもできる、素晴らしい力を持っています。それは、特定の感度の高い人たちだけのものではなく、ファッションを楽しみたいすべての人のためのものだと思います。

そのため、実店舗でもネットショップでも、デザイン性の高さや統一感は意識しつつ、「初めて見る人にとって見てわかりやすいか」「普通の人が理解しやすいか」ということを大切にしています。商品名などの表記に関しても、認知度の低い言葉はなるべく使わないようにし、難読な小さな文字や専門用語の多用、英語のみの表記も避け、世界観やデザイン性を優先しすぎないことを心掛けるようにするとよいでしょう。

 

今のお客様に訴求するポイントを捉える

VMDはお客様との大切な接点であり、視覚を使って「来てほしい顧客に届ける」こと、「届いて欲しいターゲットに共感してもらう」ことを目的に構築するものです。今、来てくださっているお客様は、これまでのVMD施策の写し鏡。こちらが来てほしいお客様が集まっていない場合は、構成がずれているので見直さなければなりません。

例えば、店頭にセール商品をたくさん展開していたら、安売りやお得商品を求めているお客様を呼び寄せます。当店では。店頭にも店内にもセール表示はせず、接客時にお伝えしています。ネットショップと実店舗でのハイブリット販売のため、伝えやすいという利点はありますが、店頭の見込み客に向かってわざわざ「安売りやってます!」と最初にアピールする必要はないと考えています。

それよりも大事なのは、商品や店の世界観、雰囲気に興味を持ってもらうこと。ブランドイメージを伝えるために、パンフレットに掲載する他、店頭のPOPやネットショップの目立つところにイメージバナーを掲げています。

VMDとは、店を認知してもらい、店のブランドイメージを伝えるためにあるもの。視覚を通して、響いて欲しい現在・未来の顧客にいかに届けるかに尽きると思います。

 

 

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